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佐々木将人の論説 古武道大会を見て、「鎖鎌みたいな事、今の時代にどうかと思いますね……云々」などと発言する日本人がいるだろうか? 現実的にいるとすると余りまともな日本人とは言われないとは思うだけれど。 さてさて、この言葉の意味はつまり「そんな骨董武道、一生懸命護った所で何になる……」と言う事であろうかと推定できる。そしてその奥の結論は、「真の武道と言うのは現実に対処せねばならず、現代の様式に合わせた合気道こそ学ぶべし」と言う事を謂いたいのではなかろうか。穿ったみかたではなく、それ以外にとり様がないではないか。 しかし古武道大会において、伝承師範が古流鎖鎌術の古典形を演じるのは日本の伝統古典武術を護り、日本の古典形を守護する為こそであり、日本の古典武術の本質、その貫く深い精神が久遠であれかしと願う心を以ての事であろうかと思うのである。そのような貴き演武に対して「どうかと思う……」てな発言をする者の心は「どうかと思う」し、正に頭が「どうかしている」と我は思うのだけど。
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