|
●解説12「劣化の推移」 現代の武道が殆ど実戦には不可と言う事を述べたが、しかし戦後の日本武道が急に弱くなったと言う事では必ずしもない。何せ戦後の師範と雖も、本質的には戦前に伝を受けてレベルの高い比較的古伝の稽古をしていた連中であり、世界に誇る日本武道としての強さはある時期までかなり保持されていたと思う。 しかし残念ながらGHQによって各武道の精神的な核とも言える部分を削られてしまっているのであり、本質的に武術として力が次第に発揮できなくなってしまったのである。つまりそれは一つには武道の定義とスタンスの問題であり、戦前は競技法を取り入れながらも武道としてのスタンスはかなり護られていたが、戦後は完全なスポーツとなり、また戦後の武道は競技の部分も廢してレジャーとして行われるものもある。根本部分が変質してしまっているが為に武術としての本当にの力が失われてゆくのはある意味当然である。実際の所、戦後に伝を受けられた師範連中が現在殆ど亡くなられ、よって古式の技はその殆どが失われ、武術としての施行される系統が殆どなくなってしまった事は事実である。GHQはそこまでを見越して規制をかけ、時間をかけて日本武道をここまで劣化させる事に成功したわけである。
|
|