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●問題点6「日本伝捕手術」 日本の捕手術には古い伝統があり、実際の技としては神代の昔にも遡るだろう。しかしこれは諸外国も同じ事であり、恐らく有史以前からその様な技法は世界各国の古伝技法としてそれなりには存在したに違いない。ただ日本ではある時期(戦国末期位と言われる)にそれが極度に発達し、技法伝が体系化され、単なる技を超えた所の形芸術の世界を現出した事。そしてそれを永遠の古典として、同じ体系の武術を流儀武術として昇華し、代々、伝授巻を通じて継承されてきたと言う驚くべき事実がある。そして多くの流儀が生まれ、極めて多様なる流儀文化を育んだ事。これがなによりも素晴らしい。捕手流儀の最古は竹内流と言われるが、凡そ四百八十年もの昔に完成された体系が崩れる事なく現代まで継承されてきているのであり、この様な例は世界に類を見ない、正に日本独得の存在であり、日本の国体そのものである。 また日本の体術流儀が先ず、「捕手」と言う形で形成された事も象徴的であり、日本の武術と言うものの根本に易経で言う所の「神武不殺」とも譬うべき尊き精神文化が存在している事を著していると捉える事が出来る。
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